仕事における文章の正解とは
皆さんは文章を書くのは得意ですか?
自分は……Yesとも言えますし、Noとも言えます。
例えば、相手に読まれることを考えなくていい「日記」であれば、比較的サラサラと最後まで書くことができます。
しかし、これが仕事で使うようなフォーマルな文書になると、途端に苦手です。伝えたい情報があっても、どのような形式で書いていけば良いのかの「正解」が分からず、曖昧な判断基準で業務連絡のメールを書いていました。
この「曖昧さ」は厄介です。曖昧さは迷いを生みます。迷いは時間を浪費させます。時間を浪費することは、仕事においては大きな損失でしょう。
この問題は「正解」を知ることによって解決します。その正解が載っている本が、この『技術者のためのテクニカルライティング入門講座』でした。
良い文章を書くための具体的ノウハウ
結論からまとめると、良い文章を書くために必要なのは、これらの要素だと言えます。
[必要最低限の要素]
- 読みやすい
- 分かりやすい
- 5W2Hが揃っている
- 論理的である
- 結論を見つけやすい
これは当たり前かもしれません。しかし、その当たり前を実現するためには、様々な工夫が必要です。
自分が感銘を受けた箇所の一部を、以下にまとめてみます。
接続詞はなるべく使わない
自分は接続詞大好きニンゲンでした。油断するとすぐに接続詞を使ってしまいます。
そのことを特に問題だと思っていませんでした。たくさん接続詞を使ったほうが、読みやすいだろうとまで考えていました。
このブログのように、特に業務に直結するわけではない日記のような文章であれば、接続詞を使ってしまっても特に問題はありません。
しかし、仕事の場においては、接続詞は素早い情報取得を阻害する要因になることが分かりました。
この本では、削って良い接続詞や、接続詞の代わりに連番を使う方法が掲載されています。
「など」はなるべく使わない
自分は「など」が大好きニンゲンでした。油断するとすぐに「など」を使ってしまいます。
この本では、「など」を使っている文章と使っていない文章が比較して掲載されていました。「など」を使っていない文章のほうが簡潔で読みやすいことが理解できました。
「など」を削除しても基本的に問題は発生しませんし、逆に曖昧さを残してしまいます。曖昧さは、読みやすい文章の敵です。削りましょう。
丸カッコは補足説明や意見を書く場所ではない
[ダメな例]
- あなたはレフぞう(フィヨルドブートキャンプに所属)を知っていますか?
- レフぞうの書いているブログ(なんか無駄にテンションが高い)を知っていますか?
[OKな例]
- あなたはレフぞう(LEF)を知っていますか? フィヨルドブートキャンプに所属しているゾウさんです。
- レフぞうの書いているブログ(LEFログ)を知っていますか?
丸カッコは固有名詞や語句の言い換え、品番、製品名を書くときに使うのが良いそうです。
丸カッコへと補足説明や意見を書いてしまうと、一文が長くなり、読みにくくなってしまいます。カッコの外に出し、文を分けるほうが理解しやすくなります。
余分な情報を削る
自分は、ついつい文章が長くなってしまいます。「大は小を兼ねる」ということわざが好きで、たくさん情報があったほうが相手も嬉しいと思いこんでいました。
しかし、それは大きな間違いであることを、この本を通じて改めて理解することができました。
文章を読むという行為は、意外と時間が掛かります。特に業務における文章のキモは、必要な情報をやり取りすることなので、重要度の低い情報まで書いてしまうと、大事な部分が見えなくなってしまいます。
文章を削るのには勇気が必要です。プログラミングにおいて一番難しいのが既存のコードを削ることであるのと同様に、日本語においても一度完成した文章を削るのはとても難しいです。
その難しさを乗り越え、情報を整理した内容こそが、相手を思いやった文章になることを具体的な方法論とともに理解しました。
時間は有限です。相手の状況を考えて、すばやく情報を読み取れる文章を書けるように気をつけたいです。
おわりに
上記の他にも、フォントの使い分け、階層構造における注意点、受動態と能動態、スライド枚数の上限、納得させる文章のコツなどの実務に使える具体的なノウハウがまとめられていて、とても参考になりました。
この本によって、フォーマルな文書を書くときの明確な指針が立てられたと思います。
とはいえ、簡潔で正確な文章を書くというのは、一朝一夕で身につくものではありません。
この本のプラクティスを何度も振り返りつつ、自分が書いた内容をセルフレビューし、もっと実例に触れることで、更に良い文章を書けるように精進していきたいと思います。📝